墓イメージ

お墓は故人に安らかに眠って頂く次の家で、残された人の心の拠り所です

私の父方の祖母は私が生れる前に亡くなり、残された祖父は私たち家族が住む長野県から遠く離れた、奈良県に住んでいました。
父は高校を卒業すると同時に家を出ていて、父の弟も結婚して別に家を構えていたので祖母が亡くなった後、祖父は一人で奈良県で暮らして居ました。
けれど中学2年生にのときのことでした。
父が長野県で家を購入することにし祖父の部屋も用意したので一緒に住むことになりました。
そしてその時、父は新居とともにお墓を購入しました。
家からそう遠くない新居が望める、高台に分譲されたものでした。
それまではお墓が無く、祖母の骨はお寺で管理してもらっていました。
我が家は、自営業をしていて正直我が家は裕福な家ではありませんでした。
父も母もいつもくたくたになるまで働いていたのを子供ながらに感じていましたのでそこまでして買うものなのかと思ったことを覚えています。
けれど完成して、家族で祖母の骨を納骨しに行った時のことでした。
「やっと母さんにゆっくりしてもらえる。ここならみんなが見えるからなあ」と父が言いました。
無口でぶっきらぼうの父が、ひとりごとで呟いた言葉でした。
それを聞いて、私ははっとしたのを覚えています。
お墓は絶対にいいものを買うといって譲らなかった父。
石の種類、デザインなどにすごくこだわって我が家にとっては高価なものを購入したので理解ができていませんでした。
けれど、その独り言を聞いたときに「あーやっと父は親孝行が出来たんだなあ」と思いました。
早くに母を亡くした父のせめてもの親孝行だったんだと思います。
それから数年して、祖父がそしてその後、早くして母が亡くなりました。
母の骨を納骨するとき、父がうつむきながら石に向かって「母さん、お疲れ様でした。
ここでゆっくり休んでください。
そして、おやじおふくろ、母さんをお願いします」と言ってたのが忘れられません。
購入してから、今まで買っているところなんてみたこともなかった花束を買うようになり、命日や、月命日だけで無くなんでもない日にも出かけて行って手を合わせています。
あまり片づけなんて得意じゃないのに、お墓だけは掃除していつもぴかぴかに掃除して雑草をむしり花を飾っています。
そして、去年のこと。
私のことになりますが、以前からお付き合いしていた人と結婚が決まり父にあいさつに行ってきました。
と同時に、彼が「お母さんにも挨拶をさせて欲しい」と言ってくれたので彼と一緒にお参りに行ってきました。
「娘さんを大事にしますので結婚させて下さい。りえさんを産んでくれてありがとうございます。りえさんのご先祖様もありがとうございます」と言って手を合わせ、お参りしている父と同じようしてぴかぴかに掃除している彼を見てこの人と結婚できて本当に良かったと思いました。
私が彼にそう言ったら、彼も「りえちゃんが僕の家のお墓に手を合わせてる姿をみておんなじことを思ったよ。」と言っていました。
今私のお腹の中には赤ちゃんが居ます。
もうすぐ産まれる予定の女の子です。
産後、少し落ち着いたらお墓まいりにいって、お披露目をして来ようと思っています。
お墓に手を合わせご先祖様に感謝できる子に育って欲しいと願っています。

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