墓イメージ

父を連れて先祖への墓参りをしました

私たちが住んでいる所から父の生家までは、どれだけ早い乗り物で移動しても5時間以上はかかります。
祖父が生きていた頃には、毎年里帰りしていましたが、祖父がなくなってからは全く行く機会がありませんでした。
そして、父が若くして要介護状態になってしまってからは、もう父が地元へ行くことはできないだろうと皆思っていました。
しかし、母が父を連れて父の地元まで行こうと言いだしました。
父がぽつっと、ずっと墓参りに行ってないなと、つぶやいたのを聞いたのがきっかけです。
その一言で、母は父が地元に行きたいと思っているのだと感じたのだそうです。
父は、椅子に座っていられるのが最大1時間ほどなので、いろいろと工夫してみることにしました。
飛行機はリクライニングを最大限倒せるように後ろの席に家族が座るようにして、車も大型のもので父が寝ながら移動できるものをレンタルして出かけることにしました。
父に、父の実家へ旅行に出かけることを伝えると、自分でも諦めていたようで、すごく喜んでくれました。
毎日気持ちが落ち込んでいたのが、前向きになってリハビリも頑張っています。
地元へ行ったらどこへ行きたいのかを聞くと、やはり先祖のお墓と生家と幼馴染や兄弟の家に行きたいと言っています。
十何年ぶりかに帰るので、少しでもお洒落をしようと父を連れて洋服も帽子も新しいものを購入しました。
事前に航空会社へも車いすで行くことを伝えておきました。
こうすることで、乗り降りを他の乗客に迷惑かけないように、工夫してもらうことができるのです。
そして、いよいよ父を連れての久々の帰省の開始です。
当日は、朝から早々と準備して、早く行こうと言うくらい張り切っていました。
飛行機で空港に到着してからは、レンタカーでの移動です。
空港から父の実家までは2時間半はかかるので、父にはずっと椅子をベッド状にして寝ていてもらいました。
私と姉が交代で運転し、父の実家まであと車で30分ほどのところで、昼食を食べます。
そこからは、父が座って車に乗りたいと言ったので、椅子を起こして助手席で座って移動しました。
そこからは、父が急に元気になって、見知った景色にあれがなんとか山、あれが俺の出身校とずっとしゃべっています。
こんなにたくさんしゃべる父を見たのは、要介護状態になって初めてでした。
そして、先祖のお墓に到着しました。
先祖のお墓へは、がたがた道で車いすではとても移動できない状態だったので、私が父を背負ってお墓まで移動しました。
お墓の前に行って、掃除をし、花を活けてろうそくと線香に火をつけてお参りします。
父は、じっと長い間参っていましたが、ふいに目からは大粒の涙がたくさん流れました。
父が落ち着いてから、再び車へ戻って父の姉の家に行きました。
すると、叔母が父の知り合いに声をかけておいてくれたみたいで、父の従姉や幼馴染が一緒に待っていてくれました。
皆に出迎えられて、驚きつつもすごく喜んでいました。
いつもなら、これだけうどきまわると体がしんどくてぐったり寝てしまうのに、元気に椅子に座って皆と思い出話に花を咲かせてとても楽しそうでした。
それから、夜は温泉宿に泊まりゆっくりしてから、翌日は父の生家の辺りへ出かけて散歩をしたり知り合いのお店に寄ったりしました。
家に帰ってから、疲労で2日間ほとんど起き上がれないくらいでしたが、父にとっては最高に素晴らしい墓参りの旅ができたようです。

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